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2004年11月18日木曜日

ボジョレー・ヌーボーをロンドンにて語る

18日は、ボジョレーヌーボー「解禁」日。この「解禁」という表現を考えた人は、凄いマーケターだと思う。何だか、とっても有難い感じがするではないか。

日本を離れてみると、日本人って本当に、新し物好き、珍しいもの好き、イベント好きだと思う。お断りしておくが、僕はこの事実を非常に肯定的に捉えている。これが、世界をマニュファクチャリングのイノベーションでリードしてきた工業大国のベースにある強みであることは間違いなかろう。

さて、ボジョレーの歴史は、マーケティングの歴史だ。そして、それが大成功を収めたのが日本。そこそこの成功を収めたのが、フランスであろう。フランスのお隣の国であるイギリスでは、「ボジョレーヌーボー?解禁?なんだそれ?」という感じである。Webサイトで、”午前0時を待って東京の○○ホテルではボジョレー解禁を祝った”なんていう記事を読み、やはり「純正日本人」である僕は試してみたくなった。そして、本日会社帰りにありとあらゆるロンドンの酒屋、スーパー、デパートを覗いてみたが、ボジョレーヌーボーは一本たりとも置いていなかった。面白かったのは、同じ目的だと思われる同胞(日本人)をワイン売り場にて合計5名目撃したこと。思わず、「ボジョレーヌーボーって、イギリスには入ってこないんでしょうかねぇ」と声をかけたくなってしまった。

仕方なく帰宅後、以前フランスで買った2000年のボルドーを空けた。こっちの方が断然美味しいのは、間違いなかろう。しかし、「解禁日」に飲めなかったというのは、悔いが残るものである。

2004年11月12日金曜日

ロンドンにてお刺身を食べる

ロンドンには、なんと5万人近い日本人が住んでいるら。もっとも、バブル期は金融機関がこぞってロンドン支店を出したこともあり、7万人以上住んでいたらしい。減ったとは言え、5万人といえばひとつ市が作れるだけの人口だ。よって、日本食も、日本食材屋も多くあり、日本食で困ることはない。

今日は、久しぶりにお刺身が食べたくなり、セルフリッジ(デパート)の食品売り場で買ってきた。タコ、いくら、タイ、赤身、中トロ、ホタテ、甘エビ。これだけロンドンで揃えられるなんて、感激だ。ここのお魚屋さんは、実は日系の経営。定員さんも日本人のことが多い。問題は、値段だ。これで、22ポンド。つまり、4000円ちょっと。んー、高い!
でも、美味かった。

2004年11月4日木曜日

日本のメディア 英国のメディア

イギリスについて僕が最も評価していることのひとつが、メディアの健全性である。
特に新聞は、主義主張がハッキリしている。筋が通らない公的プロジェクト、反社会的な企業行動などは、徹底的に取材され、糾弾される。その結果、政治家、市民、企業の間に、大変良い緊張感がある。
カバーしているテーマの広さ、深さにも感心させられることが多い。良い記事が出た数日後に、朝日や日経に焼き直しの記事が、あたかも自分で考えたテーマのように載るのには毎回呆れてしまう。

日本の新聞は、いつの間にか主義主張を自ら辞めてしまった。「ペンは剣より強し」の気概が全く感じられない。事実の報道にひたすら徹するのが、メディアの使命か?今年の新聞協会賞が「UFJとMTFGの統合」と言うのは象徴的だ。
例えば、核燃料再生プロジェクト。操業開始と同時に、10兆円以上ものコストが国民に回ってくるという。なのに、世論は意思決定に全く参加できていない。元々ソロバンが合わなかった公的プロジェクトの税金による処理。この類の記事を毎日目にするのだが、批判は全くない。メディアの怠慢以外のなにものでもない。その結果が700兆の借金と言うのは良い過ぎか?

さて、写真はUSの大統領が決った日のインディペンデントの一面。イラクの写真、自爆テロの写真、"Finally, a Christian fighting evil. Thank you, George Bush"というプラカードを掲げる一米国市民、石油パイプラインなどの写真と一緒に、"Four More Years"とだけの見出し。一方、5倍の値段を払ってとっている日経衛星版は、やはり「ブッシュ大統領再選」という見出しに、事実報道だけであった。この勝利によって、今後4年間に日本はどの様な意思決定を迫られるのか。一般市民が、このキーポイントについて考える機会は、またしても失われてしまった......。