この年末年始.......と言っても既に完全に普通の生活モードだが......なぜ奥田英朗にはまっている。
初めて読んだ「無理」を読み終える前に、「邪魔」をamazonで買っていた。
東京で平凡なサラリーマン生活を送っている私にとって、まったく知らない世界を「実体験」させてくれる。それが、「奥田英朗」だ。不安さ、後味の悪さ、やるせなさ、必死さなどなどまるで自分がその世界の中に入り込んでしまった気分だ。こんな体験、絶対にしたくないんだけど、そういう立場にある人々がどの様な感情を持つのかが疑似体験できる。
「邪魔」もその期待を全く裏切らなかった。作家の経歴を私は良く知らないが、警察組織とや〇ざの関係は恐らくここに描かれているようなものなのであろう。一線を越えてしまっている人も多いのでは。ただ、法的手続きに乗っ取られた瞬間に「裁量」の余地は極端に限られる。あー、法治国家に生きてて良かった!夫婦でこの様な形で疑心難儀になるというのはつらいだろうなぁとも思った。この奥様は不憫だ。昭和時代のお見合いカップルというのは大なり小なりこんな関係だったんだろうか。本心で理解できない夫婦ではあったが社会全体の婚姻率は高い社会と、お互いをよく理解し、信頼している夫婦と、そういう関係までたどり着ける人が居なかったばかりに未婚を通している個人が存在し、結果として婚姻率が低い社会(今の日本)はどちらが正しいのか??深い命題だ。これって、簡単に考えていたけど「個人」として生きるのか、「種」として生かされているのかという選択のような気がしてきた。能動的に生きると、婚姻率は下がるのかもしれない。
いやいや、筆者の意図とはかなり離れていると思うのですが、大変楽しめた本でした。
読書時間 上巻5時間、下巻5時間 計10時間。
2010年1月15日金曜日
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