実用書続きだったので、久しぶりに文庫本を読むことにした。とはいっても、経済ネタから離れられていないが....。80年も前の時代の話なのに、現在と抱えている問題に共通項が多くあり新鮮。政治史、経済史は、今一度勉強しなおして史観を持つことの重要性を再認識した。
最近の日本の政治には浜口の様な気概のある政治家も、井上の様に経済が分かる政治家もいない。これは、偶然の不幸なのか、それとも衆愚の選択による必然なのか。
政治問題は基本的にはどの時代も3つに集約されている様に思う。即ち、既得権者の扱い、大きな政府/小さな政府の問題、短期的な妥協/中長期的な原則のバランス。
もし、この二人が現在の中央銀行や、財政運営を見ると、2秒で心肺停止であろう。我々が現代から振り返ると、彼らの政策は失敗だった。しかし、政策判断の背景にある軍部の膨張阻止という目的がどれほど大きかったかを知らずにして、簡単に失策ということもできないのかも知れない。実際、その後のリフレ政策の行き着いた先は無理な戦争であったのだから。
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