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2010年1月31日日曜日

息子甘える


3歳8カ月でいよいよ一人っ子卒業間近のこのお方。
僕の卒業は、1年3カ月だったけどね!

ということで、安産祈願に近所の大宮八幡宮に出かけたのちにFUJIYAでパフェをおご馳走し甘やかすことにした。御覧のとおりの満面の笑み。兄妹ができる自覚は一応あるようだ。

2010年1月29日金曜日

2010/1 マーケットレポート


皆さんこんばんは。1月号をお届けします。


1.1月の株式市場

先月の当レポートでは、「足元の株価の上昇はリスクシナリオのみがハイライトされて下落した11月までの相場の揺り戻し。第3四半期の決算が始まる月末までは、特に業績面でのサプライズなどもない事から、現状の水準訂正が続くと考えている。感情的に売り込まれ、PBR1.0x以下に売り込まれた銘柄などに分がありそう。但し、日経平均で11,000円を超えて株価が更に上昇するとは思えず、深追いは禁物」というようなお話をしました。ほぼ、見通し通りの相場展開となったと思っています。特に、日経平均は10,982円ともう少しで11,000円台というところまで

行きましたが跳ね返され、この水準は簡単には超えないだろうということを改めて認識した次第です。高値を付けた1/15を境に相場は大きく変化しました。例年、1月のパフォーマンスは「リターンリバーサル相場(=これまでのトレンドの真逆相場)」となります。これは、1年の初めであることから、リスクバジェットが大きく、昨年の出遅れ株に投資してみようという思惑が働くからだと思っています。今年も例年通りの展開となり、昨年芳しくなかったセクターや、単純にPBRが割安な銘柄などが大きく買い戻されました。その後、米国の金融規制強化と、中国の引締めニュースを受けて、市場は下落に転じました。月次のセクター別パフォーマンスでも、リターンリバーサルの傾向が確認できます。海運、その他金融、銀行、通信、電力ガスなどのセクターが上昇した一方で、自動車、精密など昨年の好パフォーマンスセクターが売られました。



2.外国人買いは続くのか

当レポート11月号で、そろそろ外国人買いが復活しそうだというお話をしました。実際、12月、1月は久方ぶりに1兆円を大きく上回る買い越しとなっています。日本株のパフォーマンスを決めるのは外部要因というお話をしてきておりますが、今の買い戻しは主に、世界各国での超大幅金融緩和の終焉リスクを市場参加者が意識し始めたことに由来しています。その結果、ドルベースでのTOPIXが年初来2.5%上昇する中、中国、ブラジル、香港などの新興国市場が8%以上下落、欧米市場も5%前後の下落となっています。過去も、日本株は米国の最初の利上げでアウトパフォームが始まり、最後の利上げ以降アンダーパフォームしています。これを踏まえると、日本だけ上昇している構図には違和感はありません。しかし、ここ2週間ほどは日本株を保有せずに負けたファンドが仕方なくリスクを下げる目的で買っている様で、短期的にはモメンタムのピークだと感じています。外国人投資家が買い越しするということは、銘柄選択においても重要なインプリケーションがあります。彼らはファンダメンタルズとバリュエーションを精査して買いに来ますので、業績が上方修正トレンドにあり、割安な銘柄がよりアウトパフォームすることになります。安くて成長している銘柄がアウトパフォームするのは当然に思えますが、この2年は色々な投資主体が売り越し基調にあり、なかなかファンダメンタルズやバリュエーションでは説明できない株価の動きが多かったといえます。こういった面でも、市場の正常化が起きています。



3.今後の相場見通し

先週から第3四半期決算が始まりました。中間決算までは、あまりに悲観的な会社予想が大きく上方修正されてきました。しかし、ここにきて企業、業種で違いが出てきたように思います。そして、計画並み、コンセンサス並みの業績に対する市場の反応がかなりシビアな事が気になります。決算が一通り出揃う2月半ばには、「内需苦戦、外需は腰折れにこそなっていないもの、まちまちの決算だった」という認識になるでしょう。

大きな業績の上方修正なしにはY11,000円の壁は容易に割れないと思います。一方、先月のレポートでお話ししたリスク要因等により株価が一瞬弱含む局面も想定されますが、Y10,000を割るようなレベルではむしろ買いを考えた方が良いでしょう。また、引き続き、米国、中国、新興国での金融引き締めニュースには非常にセンシティブな状況が続くでしょう。



4.金融規制について

伝統的に民主党が強かったマサチューセッツ州で共和党が勝つや否や、オバマ政権は金融規制強化案について口及し、ウォールストリートを新たな標的に据えています。「大混乱を引き起こした結果、多額の税金を投入した。しかし、その反省もなく、金融機関は再び荒稼ぎをして失業率が10%を超える中、多額のボーナスをもらいけしからん。」というのが、民意であり、それを汲んだポピュリスト的政策だといえます。一方、政策として重要なのは、金融仲介機能とそこから創造された信用を維持拡大することです。新政策は、明らかにこれに反しており、実際にインプリメントされれば、大きなデフレプレッシャーとなることでしょう。株価が急落したのはこのような理由からです。

インベストメントバンクの報酬が高いのは、ビジネスが儲かっているからです。これに対する批判をかわすために、必要以上にレバレッジ規制等をかけるということは、結果的に経済に大きなマイナスインパクトを与えることでしょう。私であれば、寧ろ「インベストメントバンクのプロフェッショナルは2つ以上の職務を行ってはならない。電話取り、コピー取り、コーヒー買い出し係、机拭きがかり、接待アレンジ係etcと一人につき100人の下請けを雇うこと」という法律でも通します。ボーナスは減り、金融機能は維持でき、雇用も拡大することでしょう。アメリカの中間選挙、日本の参院選を控えていますが、この様に大衆迎合型政策が景気を冷やすリスクについても注意が必要だと感じた次第です。



5.お勧め図書

「異形の将軍」津本陽著

作者は12月の日経新聞の「私の履歴書」にも出ていました。この本は「田中角栄」の生涯を記した本で、彼の光と影が良くわかります。小沢一郎氏の事件?が騒がれる昨今、より面白くお読みいただけることでしょう。

ところで、日経新聞と言えば最近めっきり「二番底」という言葉を使わなくなってしまいました。あれだけ危機をあおっていたにも関わらず、見通しが外れるとこっそりと矛先を鎮めるというのは日経新聞の常套手段ではありますが、本当に迷惑な話です。株式投資では情報は非常に重要ですが、メディアのフィルターを通さず、統計などの一次情報を咀嚼する力がこそ大切だと言えるでしょう。



それではまた、来月まで。


  







2010年1月23日土曜日

「希望を捨てる勇気」 池田信夫著


ホリエモンのウェブサイトでみつけ、購入してみた。

筆者の池田 信夫氏主催のアゴラは大変面白い試みで時々見に行っている。
権力の監視というメディアの使命が日本は果たされていないどころか、逆転しているため(i.e.権力の擁護)近時、このようなサイトがどんどんできつつあるのは非常に重要な変化だ。




ただし、この本はくどすぎること、原稿の量稼ぎ的な記述も多いこと、タイトルと内容に違いが大きいことなど、残念な点が多かった。
 
労働市場のこう着性があらゆる問題の根源であることは、私も常日頃考えている。この点において、もっと社会を啓蒙できないのだろうか。私にしてみれば、同じ企業に20年、30年と努めることなど狂気の沙汰である。
 
作者がメディア出身だからかもしれないが、細かな指摘、主張が多く辟易とした。
また、名指しの批判が多い割には、多いだけでカウンターアーギュメントを行ってないのもずるかろう。このような論争を書籍上で行うのはやめてほしい。

経済とあまりかかわりのない学生、主婦、公務員向けか。
プロには現実との差が大きすぎて、あまり相手にできないと感じました。

「1分間の日記で夢はかならずかなう」 今村暁著






友人が書いた本。偶然にも出会いました。
願い事をかなえるには、まず願うこと。そして、実現までのプロセスを何度もイメージすること。そうすると、本当にかなう。 これは、僕が16歳ごろに発見した法則で、受験や仕事などなどいろんな難関をこの手法で何とか乗り切っている。
 
今村氏が同じような指摘をしていて、僕の「妄信」にはロジックがあることが分りうれしかった。
自分が本当に願っていることを知ること、そしてそれを願い続けることのために「日記」を活用するというアイディアには感心した。3年前に半年続けて立ち消えになっている日記を早速ふたたびつけ始めた次第である。

読書時間1時間半

2010年1月15日金曜日

「邪魔(上)、(下)」

この年末年始.......と言っても既に完全に普通の生活モードだが......なぜ奥田英朗にはまっている。
初めて読んだ「無理」を読み終える前に、「邪魔」をamazonで買っていた。
東京で平凡なサラリーマン生活を送っている私にとって、まったく知らない世界を「実体験」させてくれる。それが、「奥田英朗」だ。不安さ、後味の悪さ、やるせなさ、必死さなどなどまるで自分がその世界の中に入り込んでしまった気分だ。こんな体験、絶対にしたくないんだけど、そういう立場にある人々がどの様な感情を持つのかが疑似体験できる。

「邪魔」もその期待を全く裏切らなかった。作家の経歴を私は良く知らないが、警察組織とや〇ざの関係は恐らくここに描かれているようなものなのであろう。一線を越えてしまっている人も多いのでは。ただ、法的手続きに乗っ取られた瞬間に「裁量」の余地は極端に限られる。あー、法治国家に生きてて良かった!夫婦でこの様な形で疑心難儀になるというのはつらいだろうなぁとも思った。この奥様は不憫だ。昭和時代のお見合いカップルというのは大なり小なりこんな関係だったんだろうか。本心で理解できない夫婦ではあったが社会全体の婚姻率は高い社会と、お互いをよく理解し、信頼している夫婦と、そういう関係までたどり着ける人が居なかったばかりに未婚を通している個人が存在し、結果として婚姻率が低い社会(今の日本)はどちらが正しいのか??深い命題だ。これって、簡単に考えていたけど「個人」として生きるのか、「種」として生かされているのかという選択のような気がしてきた。能動的に生きると、婚姻率は下がるのかもしれない。

いやいや、筆者の意図とはかなり離れていると思うのですが、大変楽しめた本でした。

読書時間 上巻5時間、下巻5時間 計10時間。 
  

2010年1月12日火曜日

「無理」 奥田英朗著

誰かのブログにコメントされていたのを見て衝動アマゾン買い。
最近のアマゾンは11時頃までに注文すれば当日中に届く。
なんて、便利なんだろう。

豊かな地方都市の生活に僕は憧れを抱いているわけだけど、札幌とか福岡じゃなくてもっともっと小さな地方都市の現実的な問題を突き付けるインパクトのある本だった。
読後感として最も強く残ったのは、「東京の生活の方がマシかもしれない」ということと、「えもいわれぬ閉塞感」だった。この「閉塞感」は何も、この本に出てくる街に限らず、路頭に迷ってしまっている日本全体のそれに近い感情だった。

・議員・高校生・県庁職員・専業主婦・訪問販売員・やくざ者・警官・引きこもりなどなどそれぞれの目線から見た生活、価値観、人生観などがvividに伝わってくる。みんな見えない何かに縛られまくり、閉塞感の中でもがき苦しむも、出口などあるわけがない.....(いや、本当にそうなのかな?).....案外、そういう日常は一寸先は闇というほど暗くはない。一方、変化を求めると見通しは全くない。後者のリスクを避けるばかりに現状を受け入れている人も多いのではないだろうか。

ストーリーの構成が興味深かった。最近、この様に章ごとに登場人物が入れ替わる構成をよく見るが、流行りなのかな?なんだか、テレビドラマのカットを見てる感じだ。テレビっぽくって受け入れられやすいのだろうか。そして、そのバラバラのストーリーが最後に......。これも、画像でやっちゃうとアメリカ映画っぽくてシラケものだろうけど、徐々に読み進める本だからこそやれる面白い結末だった。

うん。長編だけど結構引き込まれて一気に読めます。なかなかのエンターテイメントだった。
読書時間8時間。





2010年1月10日日曜日

「横道世之介」

知人に紹介され、amazonで検索する。なるほど、なかなか面白そうだ。
今日はちょうど金曜日。一気に週末に読みたいと思い、久方ぶりにリアル店舗(日本橋丸善)で書籍を買い求める。銀座線にのり読み始める。井の頭線に乗り換え明大前を過ぎた頃には、周りの景色が大学時代のそれに見えてきた。
80年代後半の時代の空気がすばらしく上手に書かれている。みんなが将来を楽観し、楽しく、しかし一生懸命生きていたんだなぁ。明日は今日よりもきっと楽しいとあの頃は信じて疑っていなかった気がする。その時代を幸運にも学生として過ごした人にとっては、大変懐かしく当時の”空気”を思い出すことが出来るのではないだろうか。私は、不幸にもこの頃は中学生?
学生さんにとっては、この時代の「出会い」ということの重要さを認識させられる読み物かも。学生時代の人との出会いは一生を変える可能性を秘めている。社会人十数年目の出会いは..........私はひとつの出会いによって変えられるほど柔軟でなくなり、かつ変えてもらえる時間も確実に減ってしまっている。
金曜日の深夜までかかって、一気に読みました。とても懐かしく、暖かい気分になりました。
学生時代に過ごした街に暮らしているわけですが、周囲が当時とダブって見えた次第。
僕よりずっと年上の人は、そんなことより新大久保の事件と重ね合わせるんだろうなぁ。
詠む人の年齢によって、印象が全然変わる本とも言えよう。


読書時間:5時間