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2013年8月15日木曜日

太平洋の試練 真珠湾からミッドウェイまで イアン・トール著

 
「深海の使者」以来、太平洋戦争ものにちょっと惹かれてしまった。こちらは、今年6月に日本語訳が出されたばかり。これまで読んできた本は日本人に書かれた、「なぜ、無謀な戦争をしたのか?」、「なぜ、日本は負けたのか?」と言った視点からのものが多かった。「失敗の本質」的な本である。一方、この本はアメリカ人によって書かれた、米国が劣勢にあった期間の戦記である。
冒頭から新鮮だ。綿密な取材をベースに真珠湾攻撃とその直後のハワイの様子が描写されており一気に引き込まれる。ゼロ戦の当初の活躍の描写も面白い。アジア圏のイギリス軍の不甲斐なさは、本当に滑稽かつ、今に通じるものがある(ビジネスの世界で)。これを読んでいると、1945年の敗戦を待たずとも、講和のチャンスはあったことが良く分かる。戦争というのは、国対国が100対100ぶつかりあうものではなかったのだ。上下巻あり、たっぷり読み応えがあるが、飽きない。これは、蔵書としよう。


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