日頃、「確率」との勝負を強いられている私にとって、「確率」のマネジメントには人一倍敏感である。ある一定の確率下ある事象が起きると分かっていたら、その発生可能性を最大化若しくは最小化する行動をとる必要がある。それが、確率を味方につける=運を味方につける行動であり、こういったことに無頓着だと、確率のおもちゃとして不幸が降りかかる。
ある「確率」によって不幸が起きる場合は、最もやるべきことはその確率をゼロに近づけること。飛行機が落ちる確率があるのなら、乗らなければ良いのだ。ボーイング787が欠陥飛行機であることは、少しでも世の中に明るい人ならよく分かっていた。特にボーイングが千億円単位のコストをかけてWrite Offした初期型機のうち無理やりANAに押し付けられた機材なんて乗るのは愚の骨頂。
今回の福岡行きで妻子を先に返したのだが、わざわざ787を外して予約したにもかかわらず、あろうことに遅刻をして、次便の787振り替えになってしまった!こんなところで欠陥機材に乗って、自らモルモット志願する必要はない!ということで、次々便に振り返るように言ったのだが、次便以外への振り替えは出来ないとのこと。すかさずカウンターの人に電話を変わり、「機材の安全性が同等ならまだしも、全く安全性が確認できていない機材への振り替えに同じルールを適用するのは如何なものか」と主張した。しかし、「787は100%安全です。お客様の主張は根拠がありません!」などと言いあがる。それも、かなり本気のけんか腰。しかし、話がかみ合わない中上司にエスカレートされた段階で、「787への不安は了解、次々便振り替えOK」となった。
そして、それから一ヵ月後に787は世界の空から姿を消したのである。航空会社の安全宣言を信じてはならないこと、「確率」マネジメントの重要性を本当に実感した。妻子が、このシューターを使ってEvacuateしなければならない確率は12月末時点で相当高かったのである。