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2009年12月30日水曜日

2009/12 マーケットレポート


皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。




といいつつ、会号としては12月号となります。お届けが遅くなり申し訳ありませんでした。当レポートは毎回執筆に4時間程度かけております。日本はメディアの経済リテラシーが著しく低く、普通の生活をして日経新聞を読む程度では偏った情報に洗脳されかねません。こういった問題意識の元、読者の皆様の投資判断、経済の現状判断の核として頂けるような内容にしたいと心がけており、毎回熟考の上執筆しております。今後ともよろしくお願いします。



1.12月の株式市場

さて、まずは12月の相場から振り返りましょう。先月のレポートでは、「日本株はマイナス材料のみを織り込んだ状況にあり、そうなった理由については十分な正当性があるものの、ここから先はダウンサイドよりアップサイドの方が大きい。価値の顕在化を助ける外国人投資家の不在がその時間軸を読みにくいものとしているが、欧米の投資家についても、この一年大きくアンダーパフォームした日本株がこのまま下落し続けるのか不安視しており、短期的には日本株のアンダーウェイトを買い戻すような資金流入が始まっても良いタイミング」とお話しました。実際、12月の株式市場は久しぶりに外国人投資家が大きく買い戻しており、その結果TOPIXで8%、日経平均ではそれ以上の年初来高値に肉薄する上昇となりました。



2.2009年を振り返って

2009年の市場をもう一度振り返ってみますと、年初から3月中旬までは株式の保有を減らす解約売りに押され、バリュエーション、ファンダメンタルズと無関係に売られる異常な相場展開となりました。しかし、また、各国の金融当局が金融の大幅緩和を行い、また政府も過去稀に見る財政支出を行ったため、次第に市場の関心は経済の安定化へと向かい、売られる過ぎ銘柄の大幅な水準訂正が起きました。これらの政策は、ドル安を招いた一方、金融ショックの影響の小さい新興国は金融緩和のメリットを大きく受ける形となりました。また資源高を後押ししました。その結果、中国、ブラジルを初めとした新興国はいち早く成長軌道に回帰しました。グローバルに見ると、これら新興国のポジションをファンディングする格好の市場が「輸出依存度が高く、金融機関の資本が薄く、人口減による潜在成長率も低く、ファンダメンタルズの魅力がない」日本株でした。

セクター別で見てみますと、市場全体は+6%でしたが、自動車は+53%、商社は+40%、電気機器は+36%というように輸出産業や資源関連のパフォーマンスが飛びぬけてよかったことが分かります。一方、銀行は-22%、電力-20%など内需株は10%以上のマイナスとなっています。つまり、表面上は日本株市場はグローバル市場を大きくアンダーパフォームしたということになるのですが、実際には「途上国の急成長のメリットを十分受けた製造業、輸出産業の株価は他国市場に引けをとらない上昇だった一方、内需関連株が全く良いところはなく、大きく足を引っ張った。」という事になります。この点は2010年の日本株のリターンを考える上で非常に重要なポイントといえるでしょう。



3.2010年の展望

では、2010年はどういう市場になるでしょうか。足元の株価の上昇はリスクシナリオのみがハイライトされて下落した11月までの相場の揺り戻しです。第3四半期の決算が始まる月末までは、特に業績面でのサプライズなどもない事から、現状の水準訂正が続くと考えています。日経新聞が大好きな「景気の二番底懸念」で感情的に売り込まれ、PBR1.0x以下に売り込まれた銘柄などに分がありそうです。但し、日経平均で11,000円を超えて株価が更に上昇するとは思えません。この水準であれば、株式を売却しても益が確保出来る金融期間を中心に売り圧力は大きく、また経済基盤の弱い新興国のデフォルトなどのニュースが突発的リスクで下落することも考えられます。年度末までの3ヶ月弱は9,500円-11,500円程度のレンジをイメージしており短期的には上限に近づきつつあります。2009年度は外需と内需で大きなパフォーマンス差が生じましたが、これがどうなるかというのは2010年の大きなポイントです。Y90-Y95円/$の為替で推移すれば、輸出産業の業績回復は上方修正トレンドで推移すると考えます。最高益のEPS(一株あたり利益)を意識しながら、P/E10x台後半での評価となるでしょう。現在の株価はBPS(一株あたり純資産)ベースで形成されており、ピーク利益ベースでのPERを見ると大きな差があります。これが、銘柄間パフォーマンス格差の最大の要因となることでしょう。内需株は不確定要素が非常に多いといえます。こちらは、P/Eで10xから15xのバリュエーションで取引されており、割安感があります。したがって、向こう12ヶ月ではどこかのタイミングで水準訂正があることでしょう。しかし、年間を通じて輸出株を上回るかどうかという意味では、為替の水準と政局の行方が大きな不確定要素で、現時点で明確に答えることは難しいといえます。これに加えて、メディア的には当然と捕らえられている新興諸国の持続的な成長もリスク要因です。このまま世界経済が順調に回復を続けると、資源価格の上昇、投資資金流入によるインフレに対抗する形で金利を引き上げなどが、成長にショックを与える可能性があります。日本の石油ショックに似たイベントといえるでしょう。実際にブラジルなどでそのリスクの芽が出始めています。この場合、一時的にはリスク回避行動が大きくなり、先進国市場も巻き込んだ調整となることでしょう。しかし、新興国の調整以上に、先進国の経済は大きいことから、結果的には短期的にな調整になるだろうというのが私のメインシナリオです。

これらを踏まえて、目先は日経平均Y11,500を上限にY11,500からY9,500のレンジ取引。年央高でベストケースでは参院選前後の夏場に13,500円程度まではありうるが、年末にかけて下落し、年を通してみれば15%前後(Y11,500-Y12,500)のそこそこの上昇というのが今年の全体感です。大きなショック的なイベントがなければ底値はY9,000からY9,500程度ではないでしょうか。昨年ほどの大きな水準訂正はなく、15%以上短期的に上昇した場合は追随は禁物でしょう。





4.日本株復活はあるのか?

2010年、もしくは2010年代のサプライズとして日本株の復活を挙げる海外メディア、ストラテジストが現れてきました。その最大の要因は、従来私が指摘している「期待値が全く株価に織り込まれていない」という事になります。実際にその通りになるかどうかという意味では政局が大きな要因になるのではないでしょうか。夏の参院選で、民主党が敗北した場合は3年間のねじれ国会となり、政策運営が不安視されるため日本株のパフォーマンスの重石となることでしょう。一方、民主党の勝利となった場合、政策運営が一気に変化する可能性があります。現在の民主党は、この選挙に勝つことが唯一最大の目的ですから八方美人にならざるを得ません。しかし、政策に優劣をつけ、日本の問題とされている国の過剰債務、過少税収過大支出、財政のミスアロケーションなどに

メスが入れば、「いよいよ死んだ20年間から日本が復活する」という期待へと変わることでしょう。



5.お勧め図書

年末年始はお堅い本は休憩しており、今年のベストセラーを読み漁っておりました。その中で、以下の2冊は特に良かったと思います。ベストセラーですので、既にお読みになった方もあるかもしれません。作家の意図から離れているかもしれませんが、世の中を見る切り口としても楽しめます。

「無理」 奥田英朗著

私は、地方都市出身(福岡市)ですが、帰省のたびに街が廃れていくのを目にし非常に悲しい気分になります。地価の水準は25年前のレベルです。東京での生活しか経験のない方は、地方の惨状が伝わってくるのではないかと思います。今後急速に高齢化が進む東京圏もこれに近い状況となることでしょう。因みに「ゆめタウン」のモデルになっていると思われる大手スーパーチェーンは、私は如何なる株価でも投資しないと決めています。経営陣の無能さもさることながら、例え成功したとしても、それが日本全体の発展に資さないことが明確だからです。

「横道世之介」吉田修一著

こちらもまた色々な側面から楽しめますが、20年前の世界観みたいなのも伝わってきて、「無理」の時代との比較が非常に示唆に富んでいると思いました。



それでは、また来月。

2009年12月10日木曜日

アメリカ出張記 Day9



突如降ってわいたような出張で、特に西海岸の予定は10日前に決まったものであったが、きちんとスムースにこなせて、大満足。今年一番密度の濃いい1週間だった。いろんなことを学んだし、多くの人にあったし、うまいもの沢山食べたし、いろんなもの見て感じたし.....。

子供が生まれて以来、何となく家をあけて海外に行くのが嫌だった。
しかし、やっぱり時々出かけるべきだね!いろいろなこと考えるし、感じるし、そしてリフレッシュするし。来年はもっと積極的に海外に出てみようと思う。

2009年12月9日水曜日

アメリカ出張記 Day8




10時の飛行機に乗るために8:45に空港に着くと、10時はキャンセルになるかも知れないから9:00に乗れと言われる。国土交通省の役人が聞いたら激怒するだけじゃ許されない様な間引き運行がアメリカでは状態化している。最終便が間引かれて帰られなかったという話もよく聞く。「まずいなぁ~」と思いつつも、空港で待ち合わせしているので僕だけ先に乗るわけにはいかない。結局やり過ごしたら、案の定10時は"荒天により"キャンセルになり、11時の便まで待つ羽目に。
余裕のあるスケジュールなので大丈夫なのだが、腑に落ちない。


ワシントンDCは古い建物も多く、きれいな街だ。実に20年ぶりの訪問。訪問先のクライアントにその旨伝えると、「変わった?」と言われたので、「街はそうでもないが、自分は高校生だったのに、いいおじさんになった....。」と受けをとる。


お仕事を終えて街歩きだ。建物の配置が計画的で面白い。


中学の教科書で出てきたなぁ、DC.と思いだした。


一通りぶらぶらと歩いて、空港へ向かう。


これで、全ての仕事終了。さすがに、とっても開放的な気分となり、打ち上げに繰り出す。
今日は、グリニッジタウンにあるPEARLというシーフードレストラン
ここは、最高においしかった!!カウンターに座ると、ウェイトレスの女性がキビキビと動いていて、
すごかった。一人3役でドンドンこなしていく。「お勧めは?」と聞くと、「jouohgoeihoieho lgeojoihe」と一気に羅列され、ちんぷんかんぷん。今回の旅で初めて、「will you please speak more slowly?」と言ってしまった程。
しかし、NYCは美味い!ということがわかったのも、今回大きな収穫だった。


勢いあまって、Blue Noteも行きました。明日は、空港に着いたらあとは飛行機で寝るだけ!


深夜を回っても、地下鉄は怖くなかった。20年前は危ないからいかなる場合も使っちゃダメと言われたのにね。意思があれば、何でも変えられるんだなぁ。

2009年12月8日火曜日

アメリカ出張記 Day7



今日は朝6時にお迎えが来て、20時にホテルに戻るまでみっちり仕事でした。
さすがに、くったくたに疲れました。

明日も朝早いので、今夜はホテルの近くの「めんちゃんこ亭」。
こういう日は、日本食が有難いです。

2009年12月7日月曜日

アメリカ出張記 Day6




今日はお仕事です。


終わってから、デパートをちょっとのぞきましたが、ものすごい割引合戦ですごかった。
クリスマス前からこんなに引いてたら、セールの時期にはどうなるんでしょう。

2009年12月6日日曜日

アメリカ出張記 Day5



今日は日曜日だ。あー、忙しかったなぁ。やっと一息つけてうれしい!
思えば初めてNYCを訪れたのは、1989年5月。実に20年前の高校生の時だ。
交換留学生のフィールドトリップで、Michiganから1日かけてバスで行った。お昼に確かAn Arberを出て、ペンシルベニアで1泊し、翌日の夕方についたのだった。NJの方から近づくと摩天楼が見えてきて、「うわぁーーー、NYだぁ」と感激+興奮したものだった。国連、自由の女神、セントラルパーク、ミュージカル、エンパイアステートビルなどを訪れたのを覚えているので、おそらく3泊したのではないだろうか。その後、Washington D.C.にも行った。

当時の日記を見ると、いたく感激している。将来仕事で来たいとも書いてあった。しかし、仕事ではNYCはあまり縁がなく、20年後にようやく実現したわけだ。
99年と05年に遊びでは来たけれど。


Brooklyn Bridgeは、なぜか毎回来てしまう。寒かったけど、爽快!


期待してなかっただけに、うまいローカルビールを出すパブに出会い感激!


夜は、ステーキハウスに行った。NYCはうまいものは探せばいくらでもありますね!
Zagat Surveyを頼りに滞在中は結構グルメに走りました。Zagatの短いコメントは、旅行者にはとても助かる。



ロックフェラーセンターのツリーにたどり着いた時には23:30.いやはや、よく歩きました。

2009年12月5日土曜日

アメリカ出張記 Day4



移動日だ。アメリカの空港は憂鬱だ。明らかに、セキュリティのキャパが飛行機のキャパにあっていない。従って、十分前に行かないと乗り遅れる。この行列に45分並んだ。

久しぶりの西海岸は、仕事とはいえかなり楽しく満喫した。ベイエリアは、家族旅行で来てもいいなぁ。9時間で飛べて、街も田舎も、そしてワインも楽しめるのがいい。

10:30の飛行機でSFOを出て、JFKにつくのは19:30。6時間のフライト+時差3時間だ。広いなぁ。
ちょうど五大湖あたりを飛んでいる頃に日がとっぷり暮れた。

途中からすごい雪になった。偏西風のおかげで到着が1時間早まった。NYもみぞれで寒い!!
Taxiでダウンタウンのホテルに向かう。

Raddison Lexingtonというホテルに泊まる。5連泊だが、一番高い日は600USDを超えている。さぞかしいい部屋かと思われるだろうが、ボロボロ。ホテルが慢性的に不足しているNYでは、投資せずとも人が来るためこういうことになっている。隣の声や、水の音が聞こえてきて落ち着かない。

中華街に行って夕食をと思ったが、少し時間が遅かったのかさびしかった。

2009年12月4日金曜日

アメリカ出張記 Day3


今日はシリコンバレーでリサーチ活動。泊まったPalo Altoの周囲には、Google、Apple、Yahoo!,Intelなどなど、ネット企業、ハイテク企業がゴロゴロと隣接している。なるほど、ここは自動車でいう三河なんだということが、実感できた。

 
街並みもゆったりしていて、豪邸が多い。キャピタルゲインで買っているのだろう。これじゃあ、普通の仕事をしてても住めそうにないなぁ。

スタンフォード大学近くのとおり。おしゃれなカフェ、レストランも多く、とてもおいしかった。


夕方にサンフランシスコで用事があるため、移動。シリコンバレーからは高速で40分強。海を見ながらの快適ドライブだ。少し無理をすればゴールデンゲートブリッジまで足を延ばせそうだ。仕事の合間を縫ってちゃっかり観光する。シスコに来たのは1992年以来の17年ぶり。


坂の多いこと多いこと!5.6L V8エンジンをもってしてもきつい。
独特の雰囲気がなんとも言えない。ここは日本でいえば、長崎。欧州でいえばリズボンですね!
とっても気に入りました。

夕方にダウンタウンで用件を終え、カエル君にあう。
カエルくんは、僕が高校生の時にホストしたアメリカ人のビンスの弟だ。
Kyleと書くが、当時「カエル」に聞こえたので、以来僕の中では「カエルくん」だ。
89年にビンスの家を訪れた時と、04年にロンドンの僕の家に彼が訪ねてきたときの2回しか会ったことがない。なのに、とっても大事なやつだ。初めてあった時は確か10歳で今は30歳。当時は、少年だったが、2回目にあった時には青年で、今回は頭が結構禿げてきていた!!

カエルは来週Parisに引っ越す。ガールフレンドがHustonから訪ねてきていた。みんなで、イタリアンに行って、食べた食べた!なんとかガニというのを選ぶと、毛ガニのグリルが出てきて、これが最高にうまかった。運転しているので思いっきり飲めなかったのが心残り。

しかし、なんて充実した一日なんだ!いろんなことが凝縮された一日で、けっこう疲れた。


2009年12月3日木曜日

アメリカ出張記 DAY2



今日も盛りだくさんの一日だ。出張の中身はBlogに書けない。残念だなぁ。
アメリカはあまり住みたくはないなぁと思うけど、若し住まなければならなくなったら、「腹いせ」にやりたいことがある。それは、日本では売ってない米国仕様の日本車に乗ること。
このAcuraなんかアメリカっぽくていいなぁ!InfinitiのFXシリーズなんてのもかなり痺れる。


それから、最近、日本車メーカー中では最も元気なスバルもスバラーとしては気になる。
何せ、各社が大減産してる中、フル生産なもんですから。
やっぱ、アメリカで乗るならOUTBACKかな。展示車の中でもっともValue for Money で今よく売れる訳はよくわかりました。

              
しかし、こんな日本車もどきの韓国車に負けずに頑張って!!

Los Angelesの感想も書いておこう。
初めてこの街を面として経験したが、なんとも中心地がなくだらだら広がっていて
掴みどころがなく、あんまり居心地はよくなかった。
それから、現地の英語(というか、米語)だらしなさが非常に気にかかった。
語彙が少ないし、だらだらと平易な言葉を話す連中というイメージ。あまり頭よさそうな感じがしない。英語を勉強したい留学生は絶対にLAに行っては行けないと思う。

そんなこんなで、目いっぱいのLAを後のして、LAXからSan Joseに飛んだ。
1時間弱のフライトで、シリコンバレー中心地へ。

降り立って、なぜシリコンバレーなのかよく分かった。
ここで、レンタカーを借り、二日間のベイエリア滞在だ。
 
借りた車は、こちらでございます。アメリカ来たらやはりフルサイズでしょう!!
Infiniti QX56。いやー、巨大な鯨ですね。もう、後ろに何があるかとかよく分かりません。
ちょっと通るからどいてちょーーーって感じで進むしかない!

2009年12月2日水曜日

アメリカ出張記 Day1



以前は楽しみだった出張も、最近は億劫になってしまった。前後で仕事繰りがきつくなったり、家族旅行に行けなくなったりと、生活のリズムが狂ってしまうのが嫌なのだ。
しかし、暫く行ってなかったため、今回の米国出張は行かざるを得ない。2年以上振りのアメリカ、決まった後は段々と楽しみになってきた。




まずは、Los Angelesへ。2005年にLondon =>LA=>Honoluluと飛んだときにトランジットで立ち寄ったが、LA市内に降り立つのは1992年振りだ。
飛行時間9時間というのがどうも中途半端で気にかかる。
水曜日の14時まで仕事をして、成田空港へ。17:05発のNH006便へ。これが、9時間40分後の同日09:45amにLAに着く。そして、そのまままた一日仕事だ。長い!
朝、日本を出て夜現地着、一眠りして翌朝働くというのがビジネストリップとしてはベストなのだが、発着枠、同日乗り換えの利便性などを考えると、こうなっちゃうのかな?



ということで、飛行機に乗ると同時に酒をドンドン飲んだ。普段は飲まないカリフォルニアワインだが、目的地がカリフォルニアの時くらいは飲んでみようと思って飲んだこのワイン。果たしてとってもフルーティな上品な味が気に入った。途中で、やはりフレンチと切り替えたものの、まだ熟してない2007年のPinot Noirだったため、申し訳なくも下げていただき、結局このシャルドネで通した次第。
2時間ほど飲み食いをし、気合を入れて就寝。ANAのビジネスクラスは5年ほど前は画期的な気がしていたが、微妙にフラットでないこの角度は、フラットに慣れてしまうと戴けない。気がつくとずり落ちている。2010年からのフルフラット展開に期待したい。





ふと起きると、到着1時間半前。「よっし!6時間睡眠確保!」つまり、普段4時間半睡眠の私としては、それ以上眠った訳だ。これで、水曜日ダブルヘッダーはこなせそうだ。
LAの空港は、familliarなので惑わず行動できた。まずはTaxiに乗って本日の宿であるCentury City Hyattへ。10時半にチェックアウトし、午後の行動に備える。

今日は、午後に日本の某企業を訪問した後、LA Autoshowへ。

ひと際賑わっている電気自動車の展示。こんなCoolな電気自動車がもう買えちゃうんですね。
なんだかんだ言って、アメリカのinnovationの力って......と思いました。






一番ショックを受けたのは韓国車の展示だった。クライスラー、GMの破綻の最大のベネフィシャリーは、日本車メーカーではなく、韓国勢だったとは.......。米国市場は教科書どおりのマーケティングが効いてしまう面白いというか恐ろしい市場なのですが、それを体現してくれています。
金融資産が多いために簡単に値下げできない日本勢を尻目にk、Value for Moneyな選択としてすっかり市民権を得ている様です。

ということで、長い長い1日目はおしまい!いやはや、盛りだくさんのいちにちでした。

2009年11月30日月曜日

2009/11 マーケットレポート


皆様こんにちは。11月号をお届けします。


1.11月相場のレビュー

先月のレポートでは、「企業業績や景気回復の持続性には自信を持っており、またバリュエーションが低位であること、多くの海外投資家があきらめて日本株を売ってしまったことなどを踏まえると、今の株価については下値リスク以上にアップサイドが高い。但し、価値の顕在化を手助けする外人投資家の不在などの需給要因が時間軸を非常に読みにくいものとしており、また年末にかけてはファンダメンタルズ以外の思惑が市場を左右することも十分に想定出来るため、当面は先月お話ししたような『ボラティリティは高いも、底割れはしない』相場展開をイメージ。」とお話しました。実際に株価は一時上昇したものの、その後は下降トレンドで推移し前月末比-6.12%の続落で終了しました。この間、決算での好材料への反応は限定的でした。一方、為替が円高方向へ動き始めたこと、大幅希薄化を伴う増資発表が続いたこと、政府・日銀のデフレ宣言、ドバイ政府関連企業の債務不履行懸念の台頭などを受けて、市場は短期的なリスク要因に振り回されたと言えます。業種別では電力、陸運、通信などのディフェンシブセクターがアウトパフォームし、景気感応度の高いセクターが下落する典型的な弱気相場でした。

但し、株価が日経平均で9,000円レベルを割らなかったことは特筆すべきだと考えています。これまでバリュエーション面から「下値リスクが限定的」とお話してきましたが、この水準を割るということは昨年の後半から今年の年初に見られたような「バリュエーションが効かない需給相場、リスク回避相場」へと市場の本質が変化しているということだからです。



2.世界の中の日本

再びこのテーマについてお話させてください。筆者は、10月の欧州に引き続き、12月は米国の企業、顧客の訪問や、現地運用拠点での同僚とのミーティングを行っています。

一貫して聞かれた日本への認識は、

・国債の大量発行による消化懸念

・民主党の経済政策に対する不安

・人口減少による長期的な経済停滞

・輸出製品の競争力低下

など、もう全ての人が認識している内容でした。

一方で、一年が終わりつつあり、このまま日本株だけが下落し続けるのか不安視しており、短期的には日本株のアンダーウェイトを買い戻すような資金流入が始まっても良いタイミングかと感じました。

一方、約2週間かけて西海岸、東海岸の主要都市に滞在してきましたが、改めて日本と米国のGDP規模のアンバランスさが気になりました。Y90/$で考えると、日本のGDPは米国の約4割となり、ほぼ人口比に見合った水準(=一人当たりGDPが同額)ということになります。しかし、街を走る車の数、住宅の大きさ、お店での購買行動などを見ていると、明らかに米国の方がより大きい印象を受けます。背景には、まず為替水準が一時的に円高に振れすぎている事があげられるでしょう。また、日本が税収の2倍の財政支出を行うなどして、バブル崩壊後もGDPレベルを維持し続けてきたことも指摘できます。物価水準の違いにより、購買力平価ではやはり米国の方が大きいことも事実です。一方、米国のGDPも過剰な個人消費により、インフレートされた状況にあり、維持が難しい状況にあります。この様な歪みは短期的には維持が可能ですが、長期的には様々なプレッシャーを伴い、維持可能な方向に動くものと考えられます。まず、二国間経済の不均衡は為替によって調整されると考えますので、何れは為替が円安方向に戻ると考えています。その傍ら、米国の個人消費がさらに縮小することも考えておくべきでしょう。また、米国経済自体はデフレプレッシャーが強く、インフレ率の差による調整というイメージはなかなか描きづらいように思いました。



3.米国の消費動向について

筆者は、高校生時代の留学生としての1年間の滞在に始まって何度も米国を訪れていますが、今回は暫く間が空いて2年半ぶりの訪問となりました。この度の訪米では、小売店の安売り合戦の過熱が大変印象に残りました。12月は年間でも最も消費が盛り上がる時期ですが、クリスマス前から3割引、4割引は当たり前となっています。統計的には、前年よりも在庫レベルが低く、これだけのディスカウントをすれば売り切れるのでしょうが、計画通りのマージンを確保出来るのは難しいのではないかという印象を強く受けました。また、最終製品を米国に輸出している企業についても、価格圧力が強く、マージンの確保は苦戦すると見たほうが良いでしょう。また、今の状況は消費者の購買行動を変える可能性を持っており長期的にも懸念材料です。日本車のシェアが横ばいに留まる中、韓国車のシェアが急増している点などに、その片鱗が見て取れます。物質的にはある程度満たされており、かなりアグレッシブに価格訴求を行わないと需要が維持できない状況は日本でこの15年間ずっと経験してきていることです。また、途上国市場の堅調が続けば、投入コストは上昇圧力がかかるため、この方面からも企業マージンへのプレッシャーが懸念されます。



4.買ってはいけないこんな株

10月以降、株式市場では大型の時価発行増資が続いています。銀行セクターなど、規制変更の際に上手く立ち回れなかった結果、増資を已む無くされた金融業などは、まだ理解は出来ますが、極端に低い株価で必要性のない増資を大幅な希薄化を伴う形で行っている企業が増えており、理解に苦しみます。持ち合い解消の中、機関投資家や個人投資家に積極的にIRを行い、株主還元を歌ってきた企業の豹変には開いた口がふさがりません。一義的にはマネジメントのレベルの低さが要因ですが、証券会社の責任も問われるべきだと考えています。過去の様な儲け口がなくなった証券会社は、安易に増資を行うことにより簡単に多額の手数料収入を得ようとしています。

過去は幹事証券会社同士が強調して、市場へのインパクトが過大にならないように調整を行ったものですが、現在はその様なこともなされていません。長期的には、決してプラスにならないディールを無理やりやるということは、自分の庭に汚水をまいているようなものです。この様な無理なファイナンスを全うな機関投資家が引き受けるわけがなく、結果的にショートしたヘッジファンドの買戻しと個人投資家への「はめ込み」によって「消化」されています。ヘッジファンドが、希薄化による既存株主価値低下を顕在化させる役割を果たしているというのは、大変残念なことです。個人投資家へ引き受けさせるために証券会社は利益が乗っている金鉱株ファンドや新興国ファンドなどを売却させていることが、ファンドのフローなどを見ていると分かります。この様な身勝手な行動につき合わされないようにきちんと現状を認識すべきではないでしょうか。



5.市場見通し

以上を踏まえまして、今後の市場見通しについては次のように考えています。12月は例年年末にかけて出来高が細って行く為、需給に大きく振らされる展開となることが多く、今年も例外ではないと考えています。あまりアノマリーを信じていないファンドマネジャーでさえ、12月は一筋縄に行かないと考えている人が多く存在します。

例年は、月中までに形成されたトレンドが月末にかけて加速し、年明けに大きな揺り戻しが来ることが多いのですが、果たして今年の場合はどうなるでしょうか。12月初旬は、市場は大きく買い戻されたためこのまま行き過ぎた日本株売りが修正されて、年初来プラスゾーンで終わるかもしれないと期待させましたが、このところストレッチト経済圏の国債のダウングレードなどマイナス材料が出始めており、そう容易には進まない可能性も出てきました。私自身は、休むも相場という格言に習って、今年前半全く取れなかった休暇を消化すべく、あと1週間ほど働いて半月ほどお休みをする予定です。ポートフォリオについては、突出したリスクを落として来年に備えようと考えています。

大局観としては、先月に引き続き日本株はマイナス材料のみを織り込んだ状況にあり、そうなった理由については十分な正当性があるものの、ここから先はダウンサイドよりアップサイドの方が大きいと考えています。但し、日本株のパフォーマンスを決めるのは外部要因、特に新興国の経済と株式市場の過熱度であると引き続き考えており、敵失を待つ状況と言えるでしょう。



6.お勧め図書

「トレーダーの心理学」アリ・キエフ著

本書は主に短期的に市場から絶対利益を得る「トレーダー」向けに書かれたものですが、株式市場に拘わるあらゆる人にインプリケーションがあり、直訳調の文章につき合わされるのが苦痛ではあるものの、ぜひお勧めしたい一冊です。精神科医が、ケーススタディを通じて市場に携わるものがどれだけ「邪念」によってパフォーマンスを失っているか、自分自身の知力を極大化するためにはどのような事に注力すべきかを説いていきます。

ところで、皆様はどの様にして本を買われているでしょうか?私は、無料即日配達をしてくれるアマゾンで殆ど書籍は買っています。また、急がないものや、絶版になった本については、アマゾンのマーケットプレイスを利用しています。マーケットプレイスは、読み終えた本で保有する価値のないものを売る際にも非常に便利です。このシステムは、Amazon-出品者-購入者がWin-Winの関係になっていることが良く分かります。一方、既存の出版社の利益がプレッシャーを受けることになる訳ですが、その改善策として電子書籍化を勧めており、この企業のしたたかさや企業における長期ストラテジーの重要さ等々学ぶことが多いと感じています。



それでは、また来月。




2009年10月30日金曜日

2009/10 マーケットレポート


こんにちは。10月号をお届けします。

1.10月相場のレビュー

先月のレポートでは、「リーマンショック後の財政支出拡大により一息ついた世界経済ですが、7ヶ月連続の上昇を見せた後は短期的には下方リスクに対してセンシティブな状況。ただし、底割れするというイメージはなく、ボラティリティが高いものの、底値ではきちんとリバウンドするレンジ相場のイメージ。日本株についても基本観は同様ですが、政治が色々とノイズを立てることでしょう。従って、よりボラティリティが高くなると見ています。どんな銘柄でも上がったという局面から、銘柄の精査がより重要なフェーズに入ったともいえる。」というお話をしました。実際、米国市場はダウ平均で100ドルを超える上昇、下落が7日も起きました。また、主な新興国市場の月次リターンは久方ぶりにマイナスとなっています。日本でも、あわや日経平均が一時9,500円割れという展開もあり、まさに「下落リスクに対して非常にセンシティブな市場」だったといえるでしょう。ただし下落は長続きせず、きちんとリバウンドしてきたことも、先月の見通しどおりだったと考えています。株価が不安定な要因の一つには、暦年のリターンが意識されている事もあるでしょう。日本を除く先進国市場では、今年は2割前後のリターンとなっており、底値からは更に上昇しています。税金、年金の資産配分など様々な理由で期限までに売らなければならない資金があることが、地合いを悪化させています。

その様な中、企業の決算発表がピークを迎えています。特に輸出関連の製造業を中心に市場想定を上回る好決算が続いています。その結果、月次のセクター別リターンを見てみますと、鉄鋼、自動車、精密機器、ガラス、商社等がプラスとなっています。一方、内需セクターは、収益レベルこそ底堅いものの、期待値以下のものが多いというのが印象です。8月末頃から一旦内需株シフトが起きたものの、そのトレンドを継続させるほどの内容ではなかったということでしょうか。保険、石油、陸運、電力ガス、情報通信、紙パなど5%以上下落したセクターの大半が内需株でした。



2.二番底懸念

最近、日経新聞で「二番底」という文字がやたらと目に付くように思います。振り返れば、2008年初頭は景気が悪くなっていたにも拘わらず、良い話だけを取り上げ景気はまだまだ良いというキャンペーンを張っていました。個人消費を景気の主導役として焚き付けたい特集も多く目にしたと思います。その後リーマンブラザーズの破綻を契機に流石に大転換、「100年に一度の一大事」と騒ぎ立てたものの、株価は回復、夏場からは製造業も増産と「梯子をはずされ??」て「二番底キャンペーン」という流れです。これだけ見ると、どこかの新興宗教のようです。実際は、ファイナンス要因から仕入れゼロというような急激な在庫圧縮が起こったこと、消費者への金融も大幅にタイト化されたことなどが、生産活動が大きくマイナスとなった背景であり、その後金融市場の正常化と共にこの状況は解消されているというのは、これまで何度もご指摘してきた通りです。つまり、最終需要の回復がなくとも反動的に戻る部分が存在する訳です。メディア的には「エコポイントや自動車の環境減税は需要の先食いであり、反動減が必ずある」となるわけですが、経済全体から見た中でのこれらの政策効果は、その反動を恐れるほどそもそも大きくありません。また、この状況を受けて企業セクターでは度を越したコスト削減が行われています。ある自動車部品会社では、需要回復に確信を持てない為にパートタイムを含めて如何なる採用も禁止しています。しかし、生産自体は底から倍近くになっており、ピーク比2/3(66.6%)程度の人員構成にしたところ、85%程度の生産まで回復したため完全な人手不足となっています。その結果、経理担当社員の半数が応援生産に借り出されているという嘘の様な事が起きています。他にも、新人研修の一環として一ヶ月の予定で生産ラインに入った大卒文系社員が、そのまま半年間、ラインに置かれているという話も聞きました。政府補助の終了をリスクとして捕らえるのであれば、この様な度を越したコスト削減の正常化をアップサイドとして認識する必要があるでしょう。そして、後者のほうがGDPに対するインパクトとしては、より大きいことは言うまでもありません。確かに急落からの急回復のために回復率が非常に高く、回復モメンタムはいずれ緩やかになりますが、これは「リスク」というよりも「所与」であります。しかし、絶対額での生産のレベルはかなり低位にあり、生産の絶対レベルが再び年初のレベルを目指して底を見に行く確率はかなり低いと考えてよいでしょう。5階建てビルから落ちる心配をしているのですが、実際はまだ2階までしか登っていないというのが現状です。通常ありえないような底値を起点に、上がったものは必ず下がるというような議論を行うのは無理があります。



3.世界の中の日本

金融市場の回復に伴って久方ぶりに不要不急の海外出張も解禁となり、欧州に3週間ほど行って来ました。同僚のファンドマネジャーや顧客、社内のマーケティング担当者、かつての同僚、かつての担当セールスマン等色々な人と話をしましたが、「日本」という国自体が沈没してしまったかの様な関心の低さには改めて唖然としてしまいまい、先月と同じテーマですがもう一度取り上げようと思った次第です。既に年初来世界の中で突出した株価の低迷となっており、関心の低さは改めてネガティブな材料というよりは、事実確認でしかないのですが、やはり日本株の運用を生業としている身としては、存在価値が非常に低くなってしまった事実を突きつけられ、寂しい思いをしました。現実問題として日本株だけを運用していてあと何年家族を養えるのかという問題を突きつけられました。

しかし、このことは株式が真っ先に織り込むために私が先行して感じているだけであり、ものの数年後に企業の最先端で働いている人々が同様の気持ちを持つであろう事に間違いはありません。おかしな「ものづくり大国」キャンペーンに毒され、または「目の前の危機」から目をそらしている間に、製造業の中でも比較優位性を失ったもの、保てなくなりつつある企業が数多くあります。普通に企業に就職しても、もはや一流の仕事はできない、世界トップの仕事は出来ないという事実は、日本人の生き方にどのような影響を与えるのでしょうか?

個人の問題はさておき今回の出張を通して一つ痛感したのは、日本の株式市場の復活も没落もグローバル市場の中では外部要因でしか決まらないであろうということです。過去(と言ってもほんの数年前までは)は、G7とその他の国ではバリュエーション上のリスクプレミアムに明確に格差がありました。しかし、特にこの数年で新たな投資先をエマージング市場に求めた結果、リスクプレミアムの対価を成長に求めるという形でこれが収斂しつつあります。中国市場は既にそうなりつつありますが、この流れは、新興国市場が明らかに割高になるまで続くのではないでしょうか。ごく短期的にはあまりにネガティブな日本株への見方は、そのパフォーマンス格差からゆり戻しが起きてもおかしくない状況ではありますが、中長期では新興国のバリュエーションがバブルになるまでは日本株がトレンドを持って他国に先駆けてアウトパフォームすることはないように思います。



4.政権交代

民主党政権が本格始動しましたが、市場ではその政策の不透明感や予算規模、国債発行見込み額からリスクサイドがより大きくハイライトされた形と待っています。残念ながら、現政権はIRに完全に失敗しています。財源が限られている中、株式市場が政策不透明感を抱くということは、ただでさえ難しいファンディングをより厳しいものとするだけです。「コンクリートから人へ」のGDPと国家財政への具体的なインプリケーションを、政府はしっかりコミュニケートすべきでしょう。さもなければ、莫大な国債発行高による更なる財政悪化など、メディアや投機家に絶好の付け入る隙を与えてしまうことでしょう。

いやもしかしたら、もう既に問題を解決するには、症状は末期的で手の打ちようがないのかも知れません。が、今は敢えてこの話には目をつぶりたいと思います。



5.市場見通し

以上をまとめますと、私は企業業績や景気回復の持続性には自信を持っており、またバリュエーションが低位であること、多くの海外投資家があきらめて日本株を売ってしまったことなどを踏まえると、今の株価については下値リスク以上にアップサイドが高いと感じています。但し、価値の顕在化を手助けする外人投資家の不在は価値が顕在化されるまでの時間軸を非常に読みにくいものとしていると考えていますし、年末にかけてはファンダメンタルズ以外の思惑が市場を左右することも十分に想定出来、当面は先月お話ししたような「ボラティリティは高いも、底割れはしない」相場展開をイメージしています。その中で、米国をはじめとした先進国の年末商戦は注目です。もともと前年比マイナスの予想の中、ぎりぎりの在庫で乗り切ろうというのが、各リテーラーの戦略です。このような中、仮に前年比並の売り上げが確保できた場合には一気に在庫不足を招き、通常季節的に弱い四半期である1-3月の生産も力強さが維持されるでしょう。その過程では「二番底懸念」が払しょくされ、バリュエーションは2011年3月期をみるようになるため、株価はボックス圏を上放れする展開となるでしょう。



6.追記

今月のおすすめ図書は、「20世紀から何を学ぶか(上・下) 寺島実郎著

政権交代で外交戦略もリセットされつつありますが、日本と諸外国の関係が、今の日本にどのように影響したのか非常によくわかる読み物です。ぜひ、ご一読を。



それではまた、来月まで。

  


2009年10月8日木曜日

欧州出張記 Day2



今日はお仕事。午前中はコンファレンスに出て、午後はオフィスに向かう。
スコットランド人は本当にいい人が多い。デスクに座ってると、紅茶入れてこようか?とか声がかかる。
夜は、同僚と食事に出かけた。品の良いスコティッシュレストランで、3人でワインを2本空け、ハギスやラムを食べた。
職住近接で、みなさん車で10分とかの場所に住んでいる。19時半から食事をしたが、彼らは一度帰って、子供たちを習い事や観劇に送り迎えをしてきたそうだ。
こんな環境で、世界を相手にした仕事ができるとはうらやましい限りだ。
日本でも、札幌や那須など金融基地にできる地方都市は多いのだが、みなさんそういう発想にはなれず、東京じゃないと駄目だと信じ切ってしまっている。

2009年10月7日水曜日

久しぶりの欧州出張記


06年春に帰国して以来、欧州には一度しか行っていない。
3年半もの間、まさに生活の場だった場所からこんなに遠ざかってしまうというのは、不思議な感覚である。子供が生れて、あまり家をあけたくなかったというのが建前かな。しかし、それ以上に中途半端に訪ねてしまったら、それこそ郷愁に押されて自分の精神が持たないかもしれないという怖さがあったのも事実。それだけ、欧州を満喫出来たということは素晴らしいことであった。
そういう、理解されない理由で遠ざけていた出張であるが、どうにもこうにも行かざるをえなくなってきた。ということで、本日より半月強のヨーロッパ出張である。







通常NHかBAで飛んでいたこの路線。ほんの数年前までは、VirgnのUpper Classは高くて乗れなかった。しかし、このところの不況のおかげ??で、なんとロンドン往復が55万円らしい。以前の半額だ。有無を言わさず、VSでのフライトとなった。
ラウンジからして、Modern British指向でなかなか楽しい。でも、当の英国が今の惨状では、VSまでカラ元気に見えてしまう。
完全フルフラットシートは隣席とも完全に仕切られていて、BAのついたて1枚と比べると格段にいい!食事はまあ、こんなもんだろ。ワインも、フレンチはそこそこのものしかなくて、ちょっと失望。
ちなみに、2割くらいしか埋まってなくて、さびしいキャビンであった。

今日は、ロンドン経由でエジンバラまで飛び、そのまま就寝なので気が楽だ。
機内Barで酒を飲みながら、今となっては思い出せない雑談をしたりして、意外と楽しめた。

そうこうしているうちに懐かしのイギリス上空。懐かしさで、涙が出そうだ!
















12時間のフライトだったが、あっという間だった。もう、何度となく往復したこのルート。
快適に過ごすすべを心得てるので、飲んで、食って、仕事して、寝て、という時間配分が
完璧にできた。
ヒースローに降り立ち、T3からT1へ移動。その後、ターミナル内のパブへ直行しビールを2パイント飲んだ。いやーーーーーーーーーーー!!!いいっす!!!!
思わず、ロンドンベースの同僚に、感激の電話をしてしまった。



2時間強待って、エジンバラへのフライトに乗り換える。エジンバラは、確か2005年ぶり。あのときは、GNERで行ったんだったなぁ。
空港からのTaxiでは、運転手のおじちゃんが、金融危機でいかに大変だったかを語ってくれた。以前は、RBSの社員を空港からオフィスまでピストン輸送していれば食っていけたんだと。
つい最近まで、彼らはTaxi禁止だったらしいが、今月から再解禁。しかし、出張者が少ないねぇとのこと。

ホテルにチェックインして、徒歩3分のパブへ。やはりエジンバラはパブメシがうまい!!ロンドンとはここが大きな違いだ!豚バラの煮込みとマッシュポテトをたべつつ、懐かしのTebebt'sで久しぶりの訪英を祝う。





2009年1月16日金曜日