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2011年11月30日水曜日

Tokyo Motor Show 2011

東京モーターショー、プレスパスが手に入ったのでプレスデー初日に行ってみる。前回は、リーマンショックの後でかなり規模を縮小した開催だったが、今回は一応体裁は整っている。また、会場が東京ビックサイトに移ったのは大きい。実は、東京駅から特急で幕張に行くほうが時間的には速くつくのだが、心理的にはこっちの方が随分近く感じる。
さて、日産。電気自動車に割り切って展示。後は、手抜き。んー、日産らしい。米中の方が市場としては大きくなってしまった実情にそのままあわせたということですね。
ひときわ違和感のあるトヨタブース。おいおい、リボンとRe Bornをかけるって、センス悪すぎ。ドラえもん?86?ノスタルジーにひたった経営者の独断であろう......。

出ました!いやー、そのまんま"86"ってネーミングに超引いてしまった。
ホンダは、軽を前面に出したプレゼン......。目玉の一つであるはずの新型CR-Vは端っこに置かれてしまってお気の毒....。
業績ぼろぼろのマツダだが、今回は気合が入っていた!なんたって、起死回生のスカイアクティブ搭載の第3弾。新車としては、これが初めてだ。見た感じ、結構かっこいい。これ、売れるかもなぁとおもいつつ内装を見たら、かなりコストカットの跡が見て取れた。まあ、この為替水準で利益を確保しなければならないのだから、仕方ないであろう。
さてさて、SUBARU。S206、かっこいい!
新型インプレッサ。うわー、でか。海外をメインマーケットに開発されたので、仕方ないね。日本のレガシィユーザーはこっちに乗り換える人もいるのかなぁ。
さて、こちらはBRZ。げげぇ、エンジンにTOYOTAの文字が入れられている。D-4S入れただけで社名まで入れられてちょっとお気の毒だ。
んー、86よりもBRZの方がかっこいい。早く運転してみたいなぁ。本当に彼らが言っているようなドライブフィールが体感できれば、意外と売れるかも知れない。


ユーロ安で業績好調な欧州メーカーは日本の市場規模には見合わない力の入れようで、楽しめた。

自動車大国のオートショーなのにここ10年ほど存在意義が薄れつつあったが、一応環境技術の発表場所としては、フランクフルトに並ぶショーとなりつつある感あり。

2011年11月29日火曜日

政治家の殺し方 中田宏著

インパクトある表紙に釣られて購入。大変面白かった。
彼を含め、革新的な首長と言うのは私はデフォルトとして応援している。それは過去の私の職業に於いて、既得権益を守りたい利益団体、個人のすさまじさを見ており、かつこれを断ち切ることが出来なければ、日本の再生などあり得ないと思っているからである。不良債権処理に見切りをつけ、小泉旋風が吹き荒れた2000年代前半、色々な地方自治体で著者の様な革新的な首長が誕生した。しかし彼らが数期務めた後、保守的な首長への揺り戻しが起こっているのが今だと捉えている。わが杉並区なども良い例だ。この振り子はまた逆サイドに触れるのか、それとも定位置を見つけるのか、はたまたブレまくるのかが2010年代前半であり、正に国民一人一人の投票が日本の将来を決定的にする局面にあるのであろう。子供の世代を念頭に置いた正しい判断(投票)をするための投資と言うのは、目先に全くリターンがないために積極的に行わない人が多いだろう。ここに便乗するのが、週刊誌を筆頭にしたチープメディアだ。そのことを念頭に置きつつ、著者を始めとした浪人政治家の主張と言うのを聞く意味は非常に大きいと思う。

さて、中田氏については私は詳しくは知らない。従って、「革新的首長ではあったものの、スキャンダルを起こし、更に追及される前に国政に打って出ることを理由に、任期途中で辞任。しかも、風を読み誤り浪人中の政治家」というイメージで捉えていた。正に、「週刊誌プロパガンダ」に上手く操作された訳だ。本書を読んでみると、"スキャンダル"の背景が極めて良く理解できる。それすら一面的な言い訳なのかも知れないが、少なくともこの本の読者はそういう印象は持たないであろう。それは、本書を通じて彼が政治家として目指したこと、その志の高さを感じることが出来るからだ。

著者は、政治が嫌いだから政治家になったという。従って、誹謗中傷は当たり前と達観している。また、だからこそ家族を巻き込んでいないという点に大変共感した。印象に残ったのは、「就職活動としての政治」が多すぎるという下り。「私だって、家庭があり、子供を大学に出すまでは落選するわけにはいかない。」という政治家が多すぎるという。そうではなく、政治家と言うのは「公人」として成し遂げたい何かがあってボランティア的になるべきであり、「生業」とすべきではないというのが著者の立ち位置だ。

この程、著者は議会承認が得られれば、橋下大阪市長の下、副市長になるという報道がなされた。前職の経験を思う存分活かして頑張って貰いたい。





2011年11月28日月曜日

読書記 「ブラックスワン 降臨」 手嶋龍一


ちょっと、タイトルに無理がある。売るための手法であろうが、これは許されないだろう......。とは言え、本当に面白い本だった。久しぶりに途中で辞められないノンフィクションだ。

冒頭は、9.11へ至る過程が克明に示されている。本当は米国は分かっていたのに、攻撃させたんじゃないか?なんていう陳腐な邪推は完全に否定される。9.11を逆手に取ったのは間違いないのだろうが...。イラクへの武力行使もどこからずれて行ったのか、ひとつの仮説として読むべきではあるが、信じるに足りうる経緯が示されている。
また、米国に於けるインテリジェンスの凄さを改めて思い知った。「情報化社会」、「デジタル社会」というのは、便利な一方、プライバシーの大きな犠牲がその礎であることを再認知させられた次第。
また、外交というのが実際にどのように行われるのかを知る上でも非常に面白い本であった。時には細かい決め事以上に、端的な短歌のやり取りのような事が大きな意味を成す。そして、短歌と同様に受け手の知性が問われる。

後半は日本の政治家、インテリジェンスというものがどれだけ稚拙になっているかということが非常にうまく示されている。現政権というのは、米国はもとより周辺国にとっても、相手にするに足る政権となっていない。その中で、米国は戸惑い、周辺諸国は北方領土、竹島、尖閣諸島などの領土問題により政権を試す。その稚拙な政権が行き着いた先として、問題発生からカタストロフィまでの時間が極端に短い原発事故が描かれているが、筆者の意図したことはこれに留まらないであろう。微妙なパワーバランスの下に成り立っている東アジアにおいて、外交の何たるかが分かっていない政権は非常に危険だということを強く認識させられた。震災後の原発のように、我々は突発的事象によって多大なる惨禍を被ることになるかもしれない。100円の窓口負担の是非を論じている間に、その時は刻々と近づいているように思う。どぎゃんかせんといかん!


また、面白い言葉が随所にちりばめてあり、それを集める意味でも読み甲斐のある本だった。
「大国が互いにしのぎを削る冷徹な世界にあっては、力を持つものこそが正義なのである。力を持たない者は自分の存在そのものが悪だと決め付けられないように振舞うのが精々のところなのだ。」--フランス リシュリー枢機卿

「国民から選挙を経て権力を委ねられた内閣総理大臣が最後の決断を下し、その結果責任を取るべきだった。だが日本にあっては、政治指導者は戦後永らくこうした苛烈な局面に遭遇して決断する経験を持たなかった。現代日本のリーダーたちは、マイクロマネージメントに逃げ込み重箱の隅をつつくばかりだった。」

「些細な実務や小さな決定に手を出してはならない。国家の命運を左右する局面での決断に持てる全ての力を注いで、淡々と結果責任を担ってみせる---機器の指導者の取るべき鉄則からもっとも遠くにいたのが経済大国ニッポンの指導者だった。」

「情報とは幾ら命じても蒐まってくるものではない。自らの信望ゆえに提供されるものなのである。」---チャーチルの例。

ブッシュの戦争と、東アジアの空白。その後のオバマの東アジア回帰宣言。それを受け止められない沖縄論争。

超オススメの一冊です!


2011年11月26日土曜日

福岡 壱岐の旅

今年5回目の福岡行き。震災と原発事故の結果、故郷との絆は深まったなぁ。
 今回もJAL。この会社に突っ込んだ税金は、IPOによって返してもらう。納税者としての当然の選択だ。
 暫くご無沙汰の太宰府天満宮へ、家族でお参り。
 日本海に面した冬の福岡は東京より寒い。一方、1時間日が長い。多少寒くとも日が長いほうがいいなぁ。これで、午後4時。東京なら日没15分前の時間だ。
この様に寺社仏閣を訪れると、西日本が東日本に比べて古くから開けていたことが良く分かる。
寒くて、思わずうどんを食べた。ラーメンよりうどんに来てしまう30代後半男.....。
今回の帰省の目的は祖母の法事だ。早いもので7回忌。我が家のオリジンである壱岐へ。
福岡から壱岐までは、高速艇で1時間、カーフェリーで2時間強。何便も出ており、便利は非常によい。
壱岐の島は人口3万人弱。南北に移動すると小一時間かかり、意外と広い。農村は高低差が殆どなく、あらゆるところが田畑で人が住んでいる。集落を作らないこの居住形態は「散村」と呼び、珍しいそうだ。自給自足が可能なため、終戦直後は人口が7万人を超えていたそうで、さぞかし賑やかであったろうと思う。
砂浜が驚く程美しい。私は、沖縄や南洋の海を見てもそれほど感動しない。なぜなら、幼少の頃は毎年夏休みはずっと祖父母の所に泊まり、この海で毎日泳いでいたからだ。いとこ総勢8人で連日良く遊んだなぁ。
息子、娘はこの貝殻に魅せられて拾いまくっていた。なかなか、離れさせてくれない...。
両親は時々戻って手入れしている本家に泊まったものの、暖房が殆ど出来ないため子供が風邪を引くといけないということで、我が家は温泉に泊まることに。
ここ、湯本(ゆのもと)温泉は、あらゆる温泉を巡った私が選ぶベスト3のひとつ。数十メートル掘れば自噴するらしく、どの温泉も当然かけ流し。塩分と鉄分が豊富で、大変温まる。

いつもは日帰り温泉なので、泊まるのは初めて。今晩の宿は、千石荘
表は小さな湯町になっていて、楽しい。
地元のお魚、お肉。結構量もあって、大満足。
蔵を改装したお風呂は、雰囲気最高でとてもゆっくり出来た。

翌日の法事も無事に終わり。ご先祖様も、喜んでくれたことでしょう。

2011年11月19日土曜日

さようなら 井の頭線3000系

初めて井の頭線に乗ったのはちょうど20年前だ。滑り止め私大の合格をレタックス(ってまだあるの??)で知り、大変味気なかった。そして、本命の国立大学の合格発表くらいは自分の目で見てみようと思い立った。発表前日の午後のことだ。30分後に家を出て、翌朝鈍行で品川に着き、渋谷まで山手線、そして井の頭線へ乗り換えた。

数時間後に、合格発表!大変緊張していたのだが、井の頭線の一回り小さくて、可愛らしい車両に大変癒されたことを覚えている。東京ってなんか、硬くて威圧感のあるイメージだったのだが、井の頭線はなんともほわわーーんとしていたのである。 一気に緊張が解けたものだった。その後目出度く合格し、それから4年沿線住民となった。
 その頃に走っていたのが、この3000系電車だ。しかし、その後車両の大型化が図られ、徐々に現在の1000系にリプレイスされ、この12月に完全廃止されることに.....。
新型もキープコンセプトなので、あまりイメージは変わらないのだが、やはり、青春時代のアイコンのひとつなので、なくなるのはさびしい。そんな時、さよならフェアがあることを知り、思わず申し込んでしまった......。
 (写ってる人は、私ではありません。念のため)
3000系の特等席は、この運転席の後ろ。ここにシートがある電車って珍しいのでは?
これが、結構楽しかったんだよなー。
こうやって、また沿線に戻り子育てをしている訳だが、やはり井の頭線沿線って東京なのになんか、ゆるーくて気に入っている。京王線や小田急、中央線が、特急、急行、通勤快速、特別快速など慌しい名前が付いていて、ドンドン駅を飛ばして少しでも速く都心へ人を大量に送り込むことだけを競っている。そんな中、井の頭線はなんと斜めに走っている。そして急行と普通のみ。いや、朝の通勤時は普通しかない。2分おきに、各停が次々やってきて走っては止まり、走っては止まり。これに乗ると、朝から、焦っても仕方ないなぁという気分にさせられるのだ。そんな井の頭線、やっぱいいなー。

2011年11月12日土曜日

蓼科 山篭り

仕上げなければならない書き物が終わらないので、蓼科に一人で山篭りをすることにした。

 缶詰部屋
 にしては、眺めが最高!お陰でドンドン課題が進み、計画大成功。
 いつも子連れで来るのでなかなか歩けなかった、東急蓼科トレッキングコースを歩いてみることにした。時計回りに西側から歩くか、それとも東側から歩くか.....迷った後西から登ることにした。
 暫くは、整備されたなだらかな道。
しかし、行き成りキジが飛んできてびっくり!
 20分ほどで、眺望が開ける尾根に出られた。
 そこから更に30分歩くと、もう頂上。しかし、かなり汗をかくほどの運動量だ。
 蓼科山も間近に見える。左下に見えるのは、しらかば2in1スキー場のてっぺん。ここまで登ってくると、あらゆるものが見えて、蓼科周辺の地形が本当に良くわかる。
 北アルプス方面。あ、槍ヶ岳だ!
 女神湖方面。
 天気はいいんだが、北側は霜柱!ボケッと歩いてると、滑りそうだ。
 来し方を振り返る。なだらかな尾根の道、どこまでも眺望がすばらしい。


 八ヶ岳も、いつもより大きい!
 徐々にくだり坂。
 途中途中に案内板が出ているので、迷う心配はない。
 尾根の道が終わり、下り坂へ。こちらは、かなり坂が急でびっくり。ちゃんとした靴を履いていないと危ない!写真は、振り返った図。この様に伝って歩くためのロープがあちこちにある。あー、こっち側から登ってこなくて大正解!
なんと、最後は日本カモシカの親子がお出迎え。
じっと、こっちを向いていた。