日本とういうのは、世界経済の8%であり小さくない。しかし、言語のバリアがあり、その実態を世界の人が知るには壁がある。従って、この国のことを上手に英語で語ると言うのはそれなりのValueがあり、様々な人がそのRoleをPlayしてきた。古くは、「菊と刀」がその役割を果たしたし、「武士道」もある意味その範疇にあろう。
そして今、英語圏の人に最も影響力のある「日本論者」が居る。誰って?僕は、間違いなくDavid Pilling氏だと思う。この人ほど日本人に知られおらず、しかし日本に関心がある海外の知識人に知られている人はいない。00年代に日本に駐在し、日本の記事を書いてジャーナリストとしての地位を確立したPilling氏。その観察眼の正確さと、文学的な文章には誰もが魅了される。そんな彼がこの程出版したのが”Bending Adversity--Japan and art of survival"である。Bending Adversityとは「禍を転じて福となす」を無理やり英語訳したとでも言おうか?日本がCatastrophic eventを如何に乗り越え、発展してきたかを語っている。小さな小さな寓話から全体像を語るその手法は、語り手が違えば無理やり感を感じざるを得ない。しかし、日本を知り尽くした彼がこの手法をとると、許される。本当にひとつひとつが的を射ているのだ。1ページ、1ページを読むにつれ、改めて自分の国を理解し、愛情を抱くことが出来た。僕らも捨てたもんじゃないな。いや、素晴らしいな。これだけ涙腺が緩む英語の著書に出会ったことがない。Davidさん、この本を世に出してくれて有難う。これは間違いなく「菊と刀」や「武士道」にとって代わられる現代の「日本論」として読まれることだろう。
日本語訳の版権はどこが取ったのだろう?日本語訳も、間違いなくベストセラーとなろう。しかし、少しでも英語が読める人、英語を勉強している人は、ぜひ、Kindleでダウンロードして原文を呼んで欲しい。この英国流の美しい表現で「日本論」を読むことこそ、価値であろうから。
0 件のコメント:
コメントを投稿