首都圏における井の頭線はかなり地味な存在。あらゆる私鉄が郊外から都心へ人を運ぶ中、吉祥寺から渋谷という南北でもなければ東西でもない中途半端な方角へ走っている。
初めて乗ったのは1991年の3月。滑り止めの私大の合格発表は電報で知らされた。順調にパス。まことに味気なかった。電報メールを、バリっと開封し、「あー、またあった」てなぐあい。本命くらいは、自分の目で見てみたいという思いを止められなくなった。時刻表を引くと、京都まで新幹線で行けば、その後は鈍行でも志望校の合格発表に間に合う!居てもたっても居られず、15時ごろの博多発の新幹線に乗ったと思う。20年前の話だ。
早朝の品川で降り、渋谷まで山手線、そして、井の頭線へ乗り継ぐ。当時、祖母の弟が沿線に居を構えていた。もち、初対面だが、早朝5時頃にあたたかい出迎えを受ける。早朝から、純和風の朝食を頂いて、いざ合格発表へ!!!! そして、受かった~!!!
そのまま91年4月から、井の頭線での下宿生活が始まった。東京の生活が良いと思ったことは一度足りともないのだが、そうは言っても井の頭線は東京では最も親しみが持てる沿線だ。当時の彼女=今の妻ともこの沿線を何度も行き来した。青春の思い出がぎっしり詰まった沿線で、子供を育てるのもなかなか楽しい。
井の頭線の花の季節は勿論、さくらから始まる。この時期だけは、急行ですら「井の頭公園」に止まる。沿線には数々の名所あり。
しかし、余り知られていないのが紫陽花の季節。正に、今です!パステルカラーの井の頭線と同様、沿線のあらゆるところに紫陽花が植えられている。6月中、楽しめます。この時期は、絶対急行に乗るべきじゃない。ゆーったりと、普通にのって沿線の紫陽花を鑑賞してほしいと思う。井の頭線の魅力は、鈍行にあり。
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