先週、東大の発表で確かM7.0以上の地震が東京を襲う確率は4年以内に70%と発表された。その後京都大学は25%と発表し、それを受けてか東大が50%に下方修正した......。唖然だ。そんな中、偶然、書評を目にして興味を持ち、本書を手にした。
先ず、驚いたのは自分自身が知っていると思っていた関東大震災の被害状況と、実際が全く違うということであった。関東大震災の震源地は相模湾で、地震そのものの被害は東京よりも寧ろ横浜、湘南の方が大きかった。この地震の周期は200年~400年で、M8.0の巨大地震ではあるが、今すぐ警戒しなければならないものではない模様。一方、我々が今警戒しなければならないのは、M7.0クラスの南関東直下型地震。なるほど、どうもごっちゃになっていた。
本書は、小説ではない。関東大震災に関して、克明な取材を行った著者の視点から見た重要事実、問題意識を選び出して書き留めた取材記録というべきであろうか。ファクトベースで書かれているため、震災前後の様子が臨場感を持って伝わってくる(恐らく、今日は怖い夢を見そうだ.....)。情報が限られている中、人々の不安がどの様に誇張伝達するのかの記録は大変興味深い。一方、今回の東日本大震災では同じようなことが起きなかったことは、誇るべきことであるし、ネットメディアの果たした役割の大きさを改めて崇める気持ちになった。
地震予知に関する思惑の入り込み方は、正に今に通じるものがあり、強烈なメッセージだ。兎に角、週刊誌のあおり記事を読む前に必読の書だと思う。
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